第229章

丹羽光世は、さっきまで天瀬震を警察署に放り込んでおいて、次の瞬間にはこう言い出したのだ。天瀬震は自分の義父さんだ、と。

 ……どうしろっていうの。

 あれは島宮奈々未の実の父親。下手に敵に回せる相手じゃない。むしろ「お大事にどうぞ」とでも言って持ち上げておくべき存在だ。

「奈々、今すぐ電話する。天瀬……お前の親父を出してもらう」

 島宮奈々未は首を振った。

「いい。数日くらい、中で頭を冷やしてもらう」

 大西茂がぽつりと呟く。

「……強っ!」

 間違いなく実の娘だ。

 島宮奈々未は淡々と続けた。

「健太の件、かなり厄介なの。ここで天瀬震を出したら、私まで余計に振り回される...

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